この記事は日経ビジネス電子版に『旭化成や三菱ケミ、日米新政権下の脱石油はCO2資源化が試金石』(12月1日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月7日号に掲載したものです。

二酸化炭素(CO2)を資源として捉え、原料として再利用する取り組みが大手化学メーカーの間で加速している。菅義偉首相が「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、米次期大統領も脱炭素社会の構築を打ち出した。長く化石燃料をベースにしてきた化学業界。CO2回収技術が日の目を見ると判断し、経営資源を振り向ける構えだ。

旭化成はCO2から車載用電池の原料を生産する技術を確立(写真=PIXTA)

 三菱ケミカルは排ガスからCO2を効率よく回収する高機能性膜の実証実験を2021年度に始める。浄水器や排水処理向けの中空糸膜の技術を応用。回収したCO2に水素を加え、多様な化学品の原料となるメタンを合成する。アンモニア化合物のアミンに吸着させ、CO2を回収する従来の仕組みに比べ施設が小規模でコストも削減できる。

 住友化学はCO2からメタノールを効率よく合成する研究を進める。接着剤や合成樹脂などの基礎原料になるメタノールは世界で年間8000万トンの需要がある。現在は天然ガスや石炭ガスを原料にしているが、CO2から生産する技術の実用化に向けて、島根大学との共同研究体制をこの秋に整えた。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1020文字 / 全文1570文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。