セリアは「均一」を維持

 コロナ禍で各社の業績は比較的堅調だ。緊急事態宣言下で一部店舗は休業したものの、マスクや除菌グッズなどの感染対策商品の他、巣ごもり需要で製菓や手芸用品などが売れている。

 非上場であるダイソー以外の3社の売上高は、セリアが10.7%増(20年4~9月期)、キャンドゥが2.1%増(同年3~8月期)、ワッツは4.1%増(同)となっている。ワッツは「100円以外の価格帯の商品導入効果が表れてきた」と受け止める。

 ワッツやキャンドゥが価格帯を広げる理由であるコストの上昇は、100円を堅持する方針のセリアも直面している。河合社長は、完成した商品を仕入れるスタイルの他社と違い「メーカーなどと共同開発している商品が多い。価格は100円と決めて、それを達成できる協業先を探している」と話す。例えば、メルカリと協業して商品を送るための梱包材を開発、11月から店頭に並べている。他にも、大阪に商品開発の事務所を開くなど価格維持のための手を打っている。河合社長は「他社のシェアを奪えば成長を続けられる」と強気の姿勢を崩さない。

 100円以外の価格帯でもニーズを満たせるというが、もろ刃の剣だ。低価格で分かりやすいという特徴が100円ショップ市場をつくってきた。本来ないはずの「200円」「500円」などの値札が増えると、客足が遠のきかねない。

 集客力を期待される100円ショップは商業施設への出店が多い。セリアの河合社長は「他社が退店した後に当社に声がかかる例もある」と明かし、商業施設側にも「やっぱり100円均一が魅力」という流れはまだ根強くある。ビジネスモデルの根幹である均一価格を壊した先に今まで通りの成長はあるのか。100円ショップ業界は大きな岐路に立っている。

日経ビジネス2020年12月7日号 15ページより目次

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