全1446文字

デフレの象徴となってきた100円ショップの店頭で、100円より高い商品が増え始めている。コスト上昇が主な理由で、大手の一角を占めるワッツは「高額商品」を今後3割増やす。すべての商品が同じ価格という分かりやすさを特徴にしてきた100円ショップは、姿を消してしまうのだろうか。

キャンドゥは100円以外の商品を200品目展開(右)。セリアは100円を堅持する方針だ

 「当社は100円を堅持する」。業界2位、セリアの河合映治社長は11月上旬、決算説明会でこう宣言した。100円均一の価格を維持するとわざわざ強調するのは、「脱100円」の動きを鮮明にする競合企業が増えたからだ。

 100円以外の商品を先行して扱ってきた首位のダイソーに加え、4位のワッツが2018年から販売開始。同社は「高額商品」と位置付ける200~1000円(税別、以下同)の商品について、21年8月末に現在より3割多い2000品目まで増やす。

 さらに、いったん100円以外に進出し約7年前に100円均一に戻した3位のキャンドゥが20年7月から、200円、300円、400円、500円の商品を展開。100円以外の商品は現在、フライパンや養生テープ、水タンクなど約200品目に増えた。

 こうした動きは、100円だった商品を値上げするのでなく、商品の仕様を見直す場合が多い。「100円ではお客様のニーズに対応できない場合がある」とワッツやキャンドゥは説明する。「原料価格が高騰し、100円で提供できる延長コードは30cm程度になってしまった。100円でなくても2mのコードを用意する方がお客様にとってはよい」(ワッツ)。キャンドゥは「樹脂の価格や輸送費が上がってきていた。大型のジャンプ傘など、100円で販売できたものができなくなっていた」という。

日経ビジネス2020年12月7日号 15ページより目次