新型コロナウイルスによる逆風下、大田区の中小企業が設立した共同受注会社の活動が軌道に乗り始めた。かつて日本の各地に多くあった「仲間回し」による仕事の融通は、町工場の減少で下火になっている。共同会社を通じ、1社で担えない大型受注につなげる狙い。新しい形態の分業に活路を見いだそうとしている。

 電子機器設計製造のフルハートジャパン、部品加工のエース、金属加工の東新製作所など東京都大田区内の5社が中心となり、2018年に設立したのが合同会社「I-OTA」。加盟社は徐々に増えて約70社となり、本格的な受注活動が始まった。

企業連合のI-OTAが案件を一括受注
●大田区の共同受注と生産の仕組み
<span class="textColTeal fontSizeM">企業連合のI-OTAが案件を一括受注<br /><small>●大田区の共同受注と生産の仕組み</small></span>

 現在は農業系の研究機関から受注した農機具の開発を急いでいる。苗を植えるのではなく種をまく稲作に対応する新タイプの農機具だという。昨年はマレーシアのスタートアップからケナフ繊維の生成に必要な酵素液の製造装置を受注、新たに開発して納入した。

 I-OTAが案件を受注し、企画や設計、製造を、ものづくり企業がひしめく区内企業に依頼する。1社ではつくれない製品を受注し、連合体となることで大手の発注元に対し交渉力を持てるようにする。もともとは大田区が「補助金だけでない企業支援」(区の担当者)として発案した枠組みだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り817文字 / 全文1337文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。