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NTTドコモが「瞬速5G」というキャッチフレーズで自社サービスをアピールし始めた。エリア拡大で先行するKDDIとソフトバンクの5Gサービスよりも高速に通信できると知ってもらう狙いだ。厳密さを優先して慎重なマーケティング戦略を選ぶ姿は「4G」への移行期を想起させる。

高速通信サービスをアピールする吉沢和弘社長

 「新たな価値の創出や社会課題の解決のためには5Gネットワークの質が何よりも大切。ドコモは3つの新周波数にこだわり、『瞬速5G』として展開していく」。12月の社長交代を控え、最後の登壇となったNTTドコモの吉沢和弘社長は、新しい価値を提供してこそ5Gの意味があるとの姿勢を崩さなかった。

 背景には、KDDIとソフトバンクの2社が5Gサービスのエリア拡大で先行することへの危機感と対抗意識がある。2社が先行するのは、既存の4G向け基地局を5Gサービスに積極的に活用するからだ。総務省が既存の4G向け周波数を5Gで使うことを認めたため、2社は22年3月までに約1万の既存基地局を5G対応にする計画を打ち出した。スウェーデンのエリクソンが開発した、1つの基地局で5Gと4Gの電波を同時に扱える技術を採用する予定だ。