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在宅勤務の土台となる通信インフラ向けの半導体需要が、材料を供給する化学大手の業績を下支えしている。さらに、コロナ後を見据えた成長分野として、車載向け電池の材料に期待が集まる。EV市場が想定通りに伸びず、はしごを外された過去もあるが、今回の需要は本物だ。

三菱ケミカルの英国の電解液生産工場は一時停止を経て、2018年から再稼働している

 コロナ禍の景気後退で多くの化学メーカーの業績が悪化する中、下支えしているのが半導体需要だ。住友化学は、2021年3月期の連結純利益の予想を従来の200億円から300億円に上方修正した。要因の一つに半導体製造に使うフォトレジストや高純度化学薬品の出荷が伸びたことを挙げている。

 信越化学工業も半導体向けシリコン事業が好調だ。同事業の20年4~9月期の売上高はコロナによる下押し要因を最小限にとどめ、前年同期比3.8%減の1891億円。営業利益は755億円と1.4%増えた。リモートワークの広がりを受けたデータセンターの増設や高速通信規格「5G」関連のインフラ整備の本格化が半導体の需要を押し上げ、原材料を供給する化学大手を潤している。