配車サービスの運転手を「従業員」とするよう州法で定めていた米カリフォルニア州。運転手を「個人事業主」との扱いに変える立法案が住民投票で賛成多数となった。議論が深まる米国に対し、日本では立場が不安定なまま「ウーバーイーツ」の配達員が増加している。

住民立法案の賛成派と反対派がカードを掲げてアピールしていた(写真=2点:AFP/アフロ)

 米大統領選の投票日だった11月3日。カリフォルニア州では米ウーバーテクノロジーズや米リフトなどの配車サービスをめぐる住民投票が実施された。この2社や料理宅配の米ドアダッシュ、食料品配達の米インスタカートなどが支援する住民立法案「プロポジション22」の是非を問うものだ。

 発端はカリフォルニア州政府がネットを介して単発の仕事を受注する「ギグワーカー」を保護する州法「AB5」を2020年1月に施行したこと。ウーバーやリフトの運転手を「従業員」として扱わなくてはならないと定めた。雇用保険や労災の補償などにかかる費用が年間数億ドル増えるとみられていたウーバーなどの企業が反発。運転手などを「個人事業主」として扱うようAB5を修正するプロポジション22の承認を目指し、企業側は計2億ドル(約210億円)もの活動費を投じてきた。

 住民投票の結果、賛成が58%と過半を占めた。今まで通りの価格でサービスを利用できることへの住民の期待もあったとみられる。運転手を従業員にするとシフトなどのスケジュール管理が求められるため、個人事業主として扱われるのであれば運転手が好きな時間に働けるメリットもある。

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