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国内自動車メーカーの主力市場、米国の新車販売が復調しトヨタ自動車やスバルが業績予想を上方修正した。コロナ禍の打撃を受けにくい富裕層を中心に、SUVなど大型車の需要が戻ってきた。だが、経済格差という社会問題が色濃く反映された「K字型回復」にどこまで頼れるかは不透明だ。

ホンダ「パスポート」(左上)、マツダ「CX-5」(右上)、トヨタ自動車「RAV4」(左下)、SUBARU「アウトバック」(右下)など、米国ではSUVを中心に需要が回復

 「(2021年3月期の連結営業利益の見通し)通期5000億円を、第2四半期(7~9月期)だけでたたき出した」。トヨタ自動車の豊田章男社長は11月6日、4~9月期の中間決算会見でこう語った。中間決算に姿を現すのは09年の社長就任以来初。「(出席したのは)コロナ禍という有事だから。第3~4四半期も頑張っていくという決意をお伝えしたかった」と語る。

 4~6月期の不振から一転、業績が回復したのは、コロナ禍による落ち込みから比較的早く持ち直した中国市場に加えて、北米市場が復調した影響が大きい。3月にニューヨーク州などが実施したロックダウン(都市封鎖)以降、店舗での対面販売が難しくなり、4~6月の米国の新車販売台数は前年同期比33%減の298万台にとどまった(米オートモーティブニュース調べ)。その後米国社会が徐々に落ち着きを取り戻し、需要は回復。7~9月の販売台数は同9.5%減の393万台だった。独調査会社スタティスタによれば、9月単月では、販売台数が前年を上回るなど本格的な回復の兆しを見せている。