政府が新たな経済対策の策定を模索する中、中小企業向けの持続化給付金の扱いが注目を集めそうだ。財務省の諮問機関は給付金の終了を提言。一方、衆院選をにらみ打ち切りは難しいとの声が上がっている。中小企業改革に意欲を見せる菅義偉首相の本気度と手腕が試されそうだ。

<span class="fontBold">新型コロナウイルスの影響が長引く中、持続化給付金を活用する企業は多い</span>(写真=共同通信)
新型コロナウイルスの影響が長引く中、持続化給付金を活用する企業は多い(写真=共同通信)

 新型コロナウイルスの感染拡大状況が依然予断を許さない中、政府は新たな経済対策を視野に第3次補正予算案を編成する方向で動き出している。予算規模は10兆円程度になる見通しで、2021年の通常国会で提出するという。

 そんな中、10月30日に発表された9月の有効求人倍率は1.03倍と、6年9カ月ぶりの低水準だった。雇用や事業継続への対策が引き続き必要な状況にあるのは確かだ。

 その一方で、歳出圧力が強まることに対する懸念も浮上している。第2次補正予算後の20年度新規国債発行額は90兆円を超えた。財務省を中心に「コロナ対策にも優先順位を付ける時期に来ているのでは」との声が出始めている。

 10月26日に開かれた、有識者からなる財政制度等審議会(財務省の諮問機関)の歳出改革部会では、中小企業や個人事業者向けの「持続化給付金」を予定通り21年1月で終了すべきだとする提言がまとめられた。

 持続化給付金は、新型コロナの影響で売上高が前年同月比50%以上減少した事業者などが給付対象。法人で最大200万円、個人事業者で同100万円が補塡される。10月までに約4兆8000億円が給付された。迅速な給付のため審査は簡易で、昨年の確定申告書類の控えや毎月の売り上げデータなどがあれば給付が受けられる仕組みになっていた。そのため、最近では制度を悪用した組織ぐるみの不正受給が多発するなど、問題も指摘されている。

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