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仏食品大手のダノンが、6.61%保有していたヤクルト本社の株式をすべて売却した。2000年に5%を取得して始まった資本関係は、ダノンが事実上の買収を画策するなど、良好とは言えなかった。粘り強い抵抗戦が功を奏し、ヤクルト本社は20年ぶりに完全に自由の身となった。

乳製品や飲料を手掛けるダノンはヤクルトの技術にも魅力を感じた

 「当社とダノンは、今後も友好的な関係を維持し、プロバイオティクスの普及にともに取り組んでまいります」。10月7日、ヤクルトがダノンによる株式の完全売却を発表したリリースは建前にすぎない。「この関係が友好的だと思ったことなど一度もない」(ヤクルト関係者)からだ。

 ダノンによるヤクルト株取得が最初に明らかになったのは2000年春のこと。株式市場で5%をひそかに買い集めたダノンは、ヤクルトに提携協議を申し入れた。原材料調達や研究開発に共同で取り組むための協議は、わずか3カ月余りで決裂した。

 沈黙を保っていたダノンは03年春に動いた。いきなりヤクルト株を19%まで買い増し筆頭株主になったと発表。海外売り上げを伸ばしつつあったアジアのヤクルトを取り込み、ライバル視していたスイスのネスレに対抗する共同戦線を張ろうとした。ヤクルトが持つ乳酸菌飲料の技術も魅力的だった。