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半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスが目前に迫った新規上場を中止する。米中摩擦による市況悪化が原因だが、痛手を負いそうなのが大株主の東芝だ。キオクシア株売却による株主還元が不透明になり、物言う株主との対立が激化しかねない。

東芝の株主総会での議決権行使にファンドが異議を唱えたことで、三井住友信託銀行などの不適切な処理が発覚した(写真左は同行の記者会見)(写真=左:共同通信、右上:ユニフォトプレス)

 日経ビジネス電子版が9月27日に特報した通り、半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)が目前に迫った東京証券取引所への上場を中止した。今年最大のIPO(新規株式公開)案件として注目を集めてきたが、土壇場での撤回となった。28日、キオクシアが正式発表した。本来は同日に公開価格を決め10月6日に上場する予定だった。

 中止の主因は米中摩擦だ。キオクシアはスマートフォン向けフラッシュメモリーが売上高の約4割を占め華為技術(ファーウェイ)も主要取引先の一社。ところが米商務省がファーウェイへの半導体輸出規制を9月15日に発効した。大口需要家を失ったフラッシュメモリーは市況悪化が懸念される。収益環境が不透明になり上場にふさわしい時期ではないと判断したようだ。

 キオクシアは「適切な上場時期を引き続き検討していく」としている。ファーウェイへの出荷が再び可能になる時期を探りながら、東証に上場を再申請するタイミングを見計らうことになりそうだ。

株主還元策が不透明に

 キオクシア株の4割を握る東芝が被る痛手は大きい。東芝は今年6月、キオクシア上場を念頭に持ち分の一部を売り出し、売却益から税金などを差し引いた金額の過半を株主に還元する考えを表明していた。IPO中止で還元時期も不透明になる。失望感から28日、東芝株は前週末比9%安を付けた。