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ホンダと米ゼネラル・モーターズが両社の提携関係を北米市場での車台共通化などに広げると発表した。政府が進めていた日産自動車との統合案に背を向け、独立独歩を選んだ格好だ。資金繰りが苦しい日産は融資に政府保証が付くなど国が後ろ盾となる姿勢が鮮明だが、綱渡りは続く。

(写真=左:東洋経済/アフロ、右:ロイター/アフロ)

 「『独自で進めるもの』『協業で進めるもの』を見極めながら、協業で取り組む領域に関してはウィンウィンの関係を築き、アライアンス関係を前進させる」。米ゼネラル・モーターズ(GM)との北米市場での提携強化を発表した9月3日、ホンダの倉石誠司副社長はこうコメントした。メッセージの相手の一つは日本政府だろう。

 経済産業省では昨秋から日産自動車とホンダの統合案が浮上していた。日産の業績回復は見通せず、その43%の株式を持ちフランスの「準国営」と言ってもいい仏ルノーとの経営統合案が再び動く可能性もある。新たな「日本連合」で技術流出を防ごうとのプランだ。

 ただホンダも稼ぐ力の低さという課題を抱える。四輪事業は2四半期連続で営業赤字。マツダ、SUBARU、スズキがトヨタ自動車グループの門をたたく中、先が思いやられる状況だ。

 それでもホンダは国からの秋波に見向きもしなかった。八郷隆弘社長は19年11月の日経ビジネスとのインタビューでこう即答した。「(日産へのTOB=株式公開買い付け=は)考えていない。我々は、販売台数や金額の大きさではなく、事業の質で存在感を示したいと考えている」

ホンダは「独立独歩」を堅持

ホンダ・GM連合の対象は広範に
●ホンダとGMの北米事業での提携関係

 関係者によると新型コロナウイルスの感染拡大後も統合論議はくすぶり続けた。「経産省は日産を破綻させてルノーの持ち株を消し、ホンダに救ってもらうことも選択肢としていた」という。