日本ペイントホールディングス(HD)がウットラムグループに対し1兆円以上の第三者割当増資を決めた。ウットラムの子会社になるが、身売りだとの指摘を日本ペイントHDの田中正明CEOは否定する。ウットラム総帥との盟友関係を生かした田中氏。秘める野望を実現するための戦略的な資金調達だと強調する。
(写真=共同通信)

 日本ペイントHDが日本企業としては非常に珍しい決断をした。筆頭株主のシンガポール、ウットラムグループに対し1兆円以上の第三者割当増資を実施、同社の持ち株比率が39.6%から58.7%に高まると8月21日に発表した。調達資金でウットラムと合弁で展開するアジア事業と、ウットラムのインドネシア事業を完全に買収する。買収と増資がセットになった案件だ。

 これにより、日本ペイントHDはウットラムの子会社になる。これまで日本企業がアジア企業の傘下に入った例は、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されたシャープ、中国企業に買収されたラオックスなど業績不振のためやむを得ず、というケースがほとんど。だが今回、日本ペイントHDは自らの意思で戦略的に動いている。ウットラムの事業を買収する資金をウットラムから調達した結果として、日本ペイントHDが子会社になる、というわけだ。

資本構成はこう変わる
●日本ペイントHDの第三者割当増資と買収による資本関係の変化
注:数字は出資比率

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