新型コロナウイルスのまん延で、離婚や自殺が増えるとみられてきたが、これまでのところ減少傾向となっている。ただ、専門家には一時的な動きとの見方がある。離婚の場合、「今踏み切ると生活に苦しむ」と避ける例がある。コロナ禍の収束は見通せない。不安などの感情のマグマがたまり、離婚や自殺が増加に転じる懸念が拭えない。

 コロナ禍によって家で過ごす時間が増え、夫婦が互いの価値観の違いに向き合わなければならなくなって、離婚が増えるのではないか──。コロナの感染が広がる中で浮上した見方だが、厚生労働省によると実際の離婚の数は減っている。

 緊急事態宣言が発令された4月は1万6493件となり前年同月比21.7%減、5月は1万1483件で同31.2%減だった。理由の一つに、経済減速に伴う離婚後の生活への不安がある。新都心法律事務所(東京・新宿)の野島梨恵弁護士は「妻側に、今離婚してきちんと生計を立てられるだろうかと懸念する声がある。離婚に踏み切ることを思いとどまっている」と話す。

 コロナ禍により別居しにくい状況になっていることも影響している。離婚する場合、相手の不在中に引っ越しを完了させることがあるが、夫婦共に在宅が増えている状況では難しい。

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