政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」が始まり、8月22日で1カ月となった。しかし、キャンペーンに参加する宿泊事業者は一部にとどまり、観光業界全体に広がっていない。本来救済すべき対象である中小宿泊事業者には、煩雑な手続きや旅行会社に払う手数料が重くのしかかっている。

 「小さな宿屋はいまだにGo Toに戸惑っている」。新潟県内で旅館を営む男性は、政府の旅行需要喚起策「Go To トラベル」に対してこう憤る。自らは8月中旬にGo Toに登録したものの、周囲で中小規模の宿泊施設を営む事業者の多くは登録ができていないという。

 ホテルや旅館、民泊などの事業者がGo Toで支援を受けるには感染対策を施した上で登録をしなければならない。8月21日時点の登録事業者は約1万6000。支援対象の事業者は全国に約3万5000あるため、半分程度しか登録していない状態だ。観光庁は21日、同日で締め切る予定だった登録を無期限で延長すると発表した。

 登録が進まないのはルールが複雑なことに加え制度設計そのものも中小事業者に利用しにくいためだ。電話やホームページで受けた予約の記録を観光協会などの第三者機関に提供する必要がある。不正を防ぐためとはいえ、人員に限りのある中小には負担が重い。

中小宿泊事業者には高いハードル
●中小宿泊事業者の登録が進まない理由

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