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三菱重工業に再び「国産の翼」を開発する大役が回ってきそうだ。防衛省が2030年代に導入を目指す次期戦闘機で、開発の取りまとめ役として有力候補になっているためだ。旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」の迷走が続く中、インテグレーターとしての力を示す機会にできるだろうか。

国は次期戦闘機を2030年代に導入する(写真はF2戦闘機:航空自衛隊提供)

 「21年3月期のスペースジェット関連損失は1200億円の見通し」。8月3日の決算会見で小沢寿人最高財務責任者はこう説明した。このうち20年4~6月期の損失688億円には約1000人のリストラ費用、カナダ・ボンバルディアの小型旅客機事業買収に伴って生じたのれん減損も計上した。業績悪化で財務も傷む。

 機体の安全性を国が証明する「型式証明(TC)」の取得に苦しむスペースジェット。量産初号機の納入を6度延期し、当初目標から約7年がたった。TC取得では機体、システム制御を含めすべての安全性に責任を負う。「TC取得がこれほど難しいとは」。三菱重工関係者は完成機メーカーのノウハウがないまま実用化に挑んだ甘さを悔やむ。