コロナ禍で大幅な最終赤字となり、今期予想を見送ったJR東海。リニア中央新幹線の問題も先が見えない。静岡県が南アルプスの工事を認めておらず、2027年の開業が困難という。新たな日本経済の大動脈と位置付けられるリニア。なぜここまで、両者の関係はこじれたのか。

(写真=PIXTA)

 JR東海が7月末に発表した2020年4~6月期の連結最終赤字は726億円となった。コロナ禍で東海道新幹線の利用が落ち込んだためだ。今後もコロナ禍の影響を見通しにくく、21年3月期の業績予想は未定とした。

 不透明な状況なのはリニアも同じだ。静岡県が、トンネル掘削によって大井川の水量が減ることを懸念し、準備のための工事も認めていない。

 リニアは静岡県北部の南アルプスの地下1400mを、トンネルで約11km通過する。掘削に6~7年かかり、その後の試運転の期間などを考えると、27年の開業は難しいという。

 6月、金子慎社長が事態打開のため川勝平太知事と会談。トンネルの掘削はしないので、坑口整備など準備工事は認めてほしいと訴えた。川勝知事は「本体工事と一体であり認められない」と拒否。川勝知事は7月に国土交通省の藤田耕三事務次官(当時)とも会談したが、議論はまとまらなかった。

 両者の溝は、JR東海が国交省からリニア工事の認可を得た14年10月の時点ですでに生まれていた。

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