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新型コロナウイルスにより、外食店経営で常識になっていた「成功の方程式」がことごとく崩れ去った。競争の軸だった好立地や人材の採用が負担になり、高級有名店からチェーン店まで閉店が相次いでいる。経営の前提が完全に変わった以上、新たなイノベーションを生まなければ生き残れなくなる。

 東京・六本木の豚しゃぶ専門店「豚組しゃぶ庵」が10月末の閉店を決めた。2007年に開業し、起業家やIT企業社員らに愛され、いち早くTwitterを集客に活用。安倍晋三首相が来店したことでも知られる。

 そんな有名店も新型コロナ禍に抗えなかった。4月の緊急事態宣言を受けて休業し、解除後も客足はコロナ前の6割にとどまる。一般的な外食店のコスト構造は「FL(食材費と人件費)」が売上高の6割程度。家賃を支払って、利益が10%残れば良いほうだ。売り上げが1~2割減れば、立ち行かなくなる。

 人々の生活習慣を変えるコロナ禍が外食に及ぼす影響は大きい。豚組オーナーの中村仁氏は「コストを切り詰めて危機を乗り越えても長期的な安定は難しい」とみている。