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三陽商会は7月17日、銀座の自社保有ビル「GINZA TIMELESS 8」の売却を発表した。新型コロナウイルスの長期化に向けて資金を確保する目的で、アパレルの苦境を象徴するようでもある。コロナによる販売減は一服したが、「外出控え」「非対面」という新常態でおしゃれ着を売る難題は解が見えない。

「GINZA TIMELESS 8」。かつてはバーバリー銀座店だった

 「新型コロナは第2、第3波などで現行の予測を超えることも考え得る。不測の事態に備える」。三陽商会は銀座のビルを売却する理由をこう説明している。売却額は120億円程度とみられる。売却益として2021年2月期第3四半期に67億円の特別利益を計上する。譲渡先を開示しておらず、8月末に閉店するとしている。

 三陽商会は前期まで4期連続の最終赤字で、4月に再生プランを発表していた。新型コロナの影響が1年間続く場合、21年2月期も105億円の営業赤字を見込む。3月には金融機関から40億円の追加融資を受けており、「今期の資金繰りは問題ない」という。

 ただ、GINZA TIMELESS 8は一等地で基幹ブランドを露出させる効果を狙う戦略店舗であり、売却は先行きの厳しさを連想させる。もともとはバーバリー銀座店で、15年にライセンス契約が終了して以降、三陽商会の様々なブランドが入居し、昨年9月にリニューアルオープンしていた。