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米エバーノート創業者のフィル・リービン氏が立ち上げた新しいビデオサービスが米国で注目を集めている。シリコンバレー屈指のベンチャーキャピタルが即日で出資を判断。テック大手もスタートアップの買収を急ぐ。コロナ禍で生まれた新常態を機会と捉えて動く米国に対し、日本企業はどう対応するのか。

米国のテック大手は新常態を見据え、「Zoom」のようなスタートアップへの投資を急ぐ(写真=左:NurPhoto/Getty Images、右上・右下:picture alliance/Getty Images、右中:Rob Kim/Getty Images)

 新型コロナウイルスの感染拡大で最も注目された企業がビデオ会議サービス「Zoom」の米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズである。利用者は2019年末に1日約1000万人だったのが、20年4月末には約3億人と30倍になった。株価も同時期に約4倍となり、時価総額はおよそ7兆円に達する。

 こうしたなか「Zoomでは物足りない」として20年7月7日、新星のように現れたのが「mmhmm(ンーフー)」というビデオサービスだ。開発したのは、クラウド文書サービスの米エバーノート元CEO(最高経営責任者)で創業者のフィル・リービン氏だ。

 シリコンバレー屈指のベンチャーキャピタル(VC)であるセコイアキャピタルの担当者は、リービン氏がプレゼンテーションをしたその場でmmhmmへの投資を決定。米ツイッターの共同創業者であるビズ・ストーン氏ら著名な個人投資家を含めて総額で450万ドル(約4億8000万円)を一瞬にして集めた。現在、ベータテストの段階で、約1000人限定で提供しており、10万人以上が試用を待っているという。

失敗を評価する強さ

 なぜここまで注目されているのか。リービン氏は「Zoomなど様々なビデオ会議サービスを利用しているが、退屈で疲れてしまう。ビデオを利用してプレゼンをするためのもっといい方法があると思い、開発を始めた」と明かす。

 mmhmmは利用者がテレビキャスターのように画面に登場できるのが特徴だ。例えば、グラフを表示したうえで自分は左下に小さく登場し、重要な部分を指し示して数字について説明するといったことが可能となる。