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2019年9月まで米大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏が日経ビジネスの単独取材に応じた。トランプ政権の舞台裏を記した新著は、新型コロナウイルス対策で窮地に立つ政権に追い打ちを掛ける。大統領選直前または2期目に同大統領が仕込む可能性がある「サプライズ」により、日本にも危機が迫ると見通す。

ジョン・ボルトン氏 John Bolton
1948年生まれ。第43代ブッシュ政権で国務次官、国連大使を務めた後、2019年9月までトランプ政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めた。

回顧録を出版したのはトランプ大統領の再選を阻むためでしょうか。

 私は第43代ジョージ・W・ブッシュ政権を去った後も回顧録を出版しました。大統領がどう考え、行動しているかは次期大統領を選ぶ際の判断材料になります。回顧録の発表タイミングも選挙期間中が適していると思っています。

 歴史を記述して残し、国の重要な決断がどのようなプロセスで行われているかを国民に知ってもらう目的もあります。国家安全に関わる秘密事項の暴露が目的ではありません。

トランプ氏に大統領として欠けていることは何でしょうか。

 国民の多くは分かりにくいワシントンの仕事の進め方に不満を持ってきました。トランプ氏は2016年、そういった層の支持を勝ち取り当選しました。ワシントンを改革し、やるべきことをやってくれるのではないか、と。

 ところがトランプ氏は政治で結果を出すことやワシントンの変革よりも、国民にどう見られているかばかり気にしていました。テレビの視聴に多くの時間を費やし、自分のイメージのことばかり考えていたのです。