中国政府による香港国家安全維持法の施行を受け、香港市民が海外へ移住する動きが加速しそうだ。アジアの金融センターである香港には、高度なスキルを持った人材が集まっている。英国や台湾は既に人材受け入れの施策を打ち出している。日本もその流れに乗ることができるだろうか。

香港市民の台湾での滞在許可手続きなどを支援する「台港服務交流弁公室」。7月1日に業務を開始した(写真=AFP/アフロ)

 中国政府が香港に対する統制を強める「香港国家安全維持法」が6月30日に施行されたことを受け、香港が保持してきた自由や権利が脅かされるとして、域外への移住を考える香港市民が増えている。

 国際連合の統計によれば、香港の人口は約743万人。そのうち外国生まれの移民は294万人と、人口の約4割を占める。アジアの金融センターとして発展してきた香港には、IT(情報技術)や金融に携わる高度人材が集まってきた。

 スイスのビジネススクール国際経営開発研究所(IMD)が毎年発表する、世界の高度人材が魅力的と感じる国・地域ランキング(IMD WORLD TALENT RANKING 2019)でも香港は世界63カ国中15位と上位に位置している。中国政府が香港に対する統制を強めれば、こうした人材が流出するのは必至だ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り827文字 / 全文1315文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。