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米電気自動車(EV)大手のテスラが世界の自動車メーカーの時価総額で首位に立った。コロナショックで自動車需要は減退し、各社の「CASE」への投資は見直さざるを得ない。ライドシェアに逆風が吹き、自動運転も計画が遅延。コネクテッドと電動化で先行するテスラに評価が集まる。

テスラの時価総額はトヨタを抜いた
●時価総額の推移
出所:QUICK・ファクトセット(終値ベース)(写真=Spencer Platt/Getty Images)

 米テスラの時価総額が7月1日、約2076億ドル(約22兆2300億円)となり、トヨタ自動車(21兆7185億円=1日終値ベース)を抜いて世界の自動車メーカーの首位に立った。テスラは2019年7~9月期以降、3四半期連続で最終黒字となっているが、19年の販売台数は37万台弱でトヨタの30分の1ほど。主役交代を後押ししたのが、コロナ禍によるトレンドの変化だ。

 これまで次世代技術「CASE」の中で、最も競争が激しいのが自動運転(A)だった。先頭を走る米アルファベット傘下のウェイモは1月、公道での実験の走行距離が2000万マイルを超えたと発表。米GM(ゼネラル・モーターズ)クルーズなどもデータを積み上げてきた。

自動運転の開発休止

 だが、開発のハードルは予想以上に高く、投資もかさむことから先を争う切迫感は薄れている。

 6月下旬に独ダイムラーのメルセデス・ベンツと独BMWが自動運転技術の共同開発を休止すると発表したのが典型だ。19年7月に手を結んだが「プラットフォーム構築にかかる費用、現在の経済状況を考え、タイミングとして今が適切ではないと判断した」(ダイムラー)という。