新型コロナウイルスで紙の需要が変容している。広告やチラシの減少で印刷、情報用紙などが落ち込んだ。一方、マスクや除菌ペーパーなどの衛生用品、通販向け段ボールの需要が増え、各社は生産の軸足を移し始めた。汎用品から高機能品に向かう一足飛びの需要シフト。コロナによる製紙業界の変貌は素材産業の歩みと重なる。

大王製紙は高付加価値品向けに設備を改造している(愛媛県四国中央市にある工場の段ボール生産設備)(写真=大王製紙提供)

 「5~6年先の需要減が前倒しで一気に来た」。大王製紙の田中幸広取締役はコロナ禍の構造変化に危機感を募らせている。チラシなどメディア用途が落ち込み、4月には基幹の三島工場(愛媛県四国中央市)の設備を改造して洋紙から高品質の段ボール生産用に切り替えた。中国、アジア向けの輸出拡大に弾みを付ける狙いだ。

 2021年7月には三島工場でペーパータオルの生産設備の新設に踏み切る。不織布マスクや除菌ウエットティッシュも増産する。

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