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新型コロナウイルスの感染拡大後、暮らしも仕事もインターネットを一層活用する方向に大きく変わった。今、振り子が振れるように「リアル」の価値が見直されている。出社する意味は何か、店舗の存在意義は……。個人や企業がニューノーマル(新常態)を探り続けている。

働き方

吉田浩一郎
人材多い大企業、部門連携などに強み 出社文化残すべき

吉田浩一郎氏[Koichiro Yoshida]
クラウドワークス社長兼CEO(最高経営責任者)。パイオニア、ドリコムなどを経て2011年クラウドワークス設立。(写真=加藤 康)

 オンラインで仕事を受発注するクラウドソーシングの分野では、コロナ禍の中で働き手の登録数が増えています。6月末で380万人を見込んでおり、前年同月比で35%増です。

 業務の発注者は企業が中心だったのですが、コロナ以前から個人事業者らの割合が増える傾向にありました。コロナ禍で企業は少し発注をためらっているようですが、個人事業者らの発注は増えている。クラウドソーシング全体では5月に底を打った状況です。

 企業で広く導入されたリモートワークについて、社員は継続を希望するのではないでしょうか。短期的には問題ないと思いますが、中長期的にはデメリットも出てくるとみています。リモートワークでは曖昧な話題を出しづらいからです。オンライン会議システムでは、それぞれが考えを一方的に発散する場になりがちです。

 大企業であればあるほど出社を前提とする文化を残す必要がある。中小企業であれば他の部署でも知っている人が多いけれども、大企業はそうはいかない。リモートワークでは新規事業のアイデアを育てたり、部署を越えた連携を考えたりといった曖昧な議論が生まれにくく、たくさんの人材を抱えている利点を生かせません。中長期的に競争力が低下する恐れがあります。