私鉄大手の東武鉄道と東京メトロが通勤時間帯に、埼玉県と東京都心を結ぶ「座席指定車」の運行を始めた。すべての席が指定で、通常の列車より混雑を避けられる。アフターコロナの暮らしに親和性があると見込んでいる。ただ、座席指定車の前後が混み合う懸念から、同様のサービスを中断した鉄道会社もあり、判断が割れている。

「アフターコロナの新しい生活様式に合致している」。6月6日から朝と夕のラッシュ時に運行を始めた「THライナー」について、東武はこう説明する。東京メトロの地下鉄日比谷線に乗り入れ、埼玉県の久喜駅や春日部駅と、東京都心の霞ケ関駅や恵比寿駅をつなぐ。
新型コロナが発生する前から計画していたサービスだったが、感染拡大を受けて満員電車を避けたいという需要が高まった。乗車券に加えて片道580~680円の追加料金が必要ではあるものの、安定して売れるとみている。座席は約300人分だ。
実際に乗ってみると、鉄道会社の工夫が伝わってくる。コストを削減するため、シートの位置を変えて通常の車両としても使えるようにしてある。THライナーとして走る場合は座席を進行方向に向け、ゆったり座れるシートにする。窓を背にしたかたちに切り替えれば、通常の列車として使える。

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