全1473文字

東証1部上場、プラスチック製造の天馬で創業家同士が対立する異例の事態が起こっている。海外での贈収賄事件を理由に創業者が経営陣退任を主張。株主総会で委任状争奪戦に発展する見込みだ。日本企業で相次ぐ創業家絡みの内紛。創業家の世代交代とアクティビストの活発化が背景にありそうだ。

創業家の対立に派閥争いやアクティビストが加わって、事態は混沌としている
●天馬を巡る対立の構図
注:監査等委員会は会社側の取締役候補の一部が不適切と表明している

 「創業家は全員取締役から離れなければ天馬の病気は治らない」。天馬の司治・前名誉会長は6月26日の株主総会への株主提案でこう強調した。ことの発端は昨年8月に起きたベトナム子会社での贈賄疑惑。税当局員に追徴金を見逃す代わりに金銭を要求され、約1500万円を支払った。経営陣はコンサルティング会社との契約料として現金提供を正当化しようとし、監査法人や監査等委員への報告を怠った。

 第三者委員会の調査報告書は「取締役の『無知』が企業価値を大きく毀損した。経営責任は重大だ」と断じた。責任をとり藤野兼人社長、司氏の息子の司久専務ら取締役の退任が決まった。