新型コロナウイルスの感染の広がりは産業界の勢力図に異変をもたらしそうだ。建設機械世界2位のコマツは海外で複数の工場が止まり、最大手の米キャタピラーも販売が急減している。競争力を増すとみられるのが中国最大手の三一重工。「コロナ後」の地殻変動を見据えたレースが始まっている。

<span class="fontBold">建機世界2位のコマツはIT化で先頭を走るが逆風が吹く</span>(写真=Haruyoshi Yamaguchi/アフロ)
建機世界2位のコマツはIT化で先頭を走るが逆風が吹く(写真=Haruyoshi Yamaguchi/アフロ)

 新型コロナのまん延に伴い、コマツはブラジルやロシア、イタリアやドイツなど各地で生産を停止した。国内では4月に入り、大手ゼネコンが工事中止を決めた。生産停止による機会損失、景気減退に伴う販売減が懸念される。先行き不透明感から、4月30日に予定していた2020年3月期の連結決算発表も5月18日に延期した。

 「30億ドルを手当てしたい」。4月初旬、米キャタピラーは新たな融資枠を金融機関に要請した。19年末の現金は日本円換算で約9000億円。それでも販売急減によるキャッシュ不足を補い、販売代理店の運営資金が目減りする事態に備えようとしているようだ。工場の操業を一部止め、2月の建機販売は前年同月から大幅減。3月以降も一段と悪化しているもようで3月26日に業績見通しを撤回している。

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