トヨタ自動車が5月にグループの国内すべての工場で減産するなど、新型コロナウイルスの影響が長引く。理由は世界の需要減少だけではない。部品の欠品という事態に直面している。減産が長期化するほどサプライチェーンの崩壊を招きかねず、各社は難しいかじ取りを迫られている。

トヨタグループは全工場で生産調整
●自動車メーカーの国内の稼働状況
<span class="fontSizeM textColTeal">トヨタグループは全工場で生産調整</span><br /><span class="fontSizeS textColTeal">●自動車メーカーの国内の稼働状況</span>
注:20日時点。トヨタは日野自動車、ダイハツ工業含む。台数は2019年

 国内自動車メーカーの減産が止まらない。トヨタ自動車は15日、グループの完成車18工場で5月以降に生産調整すると発表した。同月の生産は約7万9000台減り、当初計画からおよそ4割落ち込む。4月は一部工場の停止で約4万1000台減る見込みだ。

 日産自動車は17日、4月に続いて、大型連休の後も国内3工場の稼働を一時停止すると発表した。需要回復が見込めず、各社の生産正常化に時間がかかっている。

 一方、海外では「生産再開ムード」が強まる。ロックダウン(都市封鎖)により操業停止が続いていた中国・武漢では、3月中旬から順次、工場が再稼働した。4月8日の封鎖解除によって人の移動も認められ、正常化に向けて急速に動き出す。武漢に工場を持つホンダは、4月中に通常の稼働レベルに戻すことを目指しているという。

 移動が制限されている欧州でも、じわじわと再開の動きが出てきた。ドイツ自動車大手フォルクスワーゲンは15日、乗用車ブランドの段階的な生産再開を発表した。中国での車両生産向けに部品を供給する必要があることから、ドイツですでに一部の部品工場の操業を再開。20日の週からドイツとスロバキアで、27日の週からポルトガル、スペイン、ロシアなどで車両生産を再開する。

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