新型コロナウイルスの感染拡大が招いた資源価格の下落が、総合商社各社の業績を揺るがしている。過去最高益が相次いだ昨春から一転、丸紅が赤字に転落するなど厳しい春を迎えている。伊藤忠商事の岡藤正広会長CEOは、「利益よりもじっと我慢だ」と忍耐を説く。

<span class="fontBold">4月1日の伊藤忠商事の入社式。本社入り口にレッドカーペットを敷き、岡藤正広会長CEO(右)と鈴木善久社長COOらが新入社員を出迎えた</span>
4月1日の伊藤忠商事の入社式。本社入り口にレッドカーペットを敷き、岡藤正広会長CEO(右)と鈴木善久社長COOらが新入社員を出迎えた

 「こんなときに(グループ会社に)無理な予算を押しつけて、利益を出せと言ってはいけない」

 4月1日、伊藤忠商事の岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)は、新型コロナウイルスへの対応についてこう述べた。

 同日予定していた入社式は中止。代わりに「世の中は暗いが、新入社員の人生の門出を祝いたい」と、岡藤会長らが本社玄関で新入社員を一人ひとり拍手で出迎えた。ただ、新入社員は簡単な説明を受けた後に在宅勤務に入った。例年のような集合研修ができなくなるという。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り873文字 / 全文1227文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。