レナウンの定時株主総会で、神保佳幸社長と北畑稔会長の取締役再任が否決された。筆頭株主である中国の山東如意科技集団が、業績不振などを理由に両氏の続投に反対したためだ。日本企業に経営刷新を迫る、中国の大株主の動きが強まっている。

アパレル大手レナウンが3月26日に開催した定時株主総会は異例の展開となった。就任から1年に満たない神保佳幸社長と北畑稔会長の取締役再任が、同社株式の議決権の過半数を持つ中国の繊維大手、山東如意科技集団の反対により否決された。
「3月中旬、山東如意が取締役選任議案の見直しを提案した」と神保氏は説明する。レナウン側は臨時株主総会を後日開催するなどの対案を出したが、山東如意は譲らず、「実際に動議があるかどうか、半信半疑の状態で当日を迎えた」(神保氏)という。
株主総会で山東如意は両氏再任の議案に反対し、否決された。その後の取締役会で、取締役上席執行役員だった毛利憲司氏が26日付で新社長に就任。会長職には山東如意の邱亜夫(チウ・ヤーフ)董事長が就いた。神保氏は相談役、北畑氏は顧問に退いた。
邱氏はレナウンで、ネット通販を活用した海外成長戦略の立て直しなどを支援するというが、神保氏らの何が不満だったのかは不明瞭だ。「今年は資本業務提携を結んでから10年目の節目で、山東如意はレナウンの経営刷新を急いだのではないか」。神保氏は27日の記者会見でこう話した。
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