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自動車メーカーが宇宙関連技術を活用する動きが続く。中国の吉利は人工衛星事業への参入を発表。トヨタ自動車は子会社を通じ衛星画像を活用した高精度地図作製の実証実験に取り組む。あらゆる業界を巻き込みながら進む自動車産業の構造転換は、宇宙ビジネスにも影響が広がりそうだ。

中国の吉利は自動運転車向け商用衛星を自ら打ち上げる

 中国の民営自動車最大手、浙江吉利控股集団が人工衛星事業に参入する。「低軌道衛星」を自ら打ち上げ、自動運転に必要な高速通信網を整備するのが狙いだ。吉利はスウェーデンのボルボ・カーなどを傘下に持つ。3月3日、浙江省台州市で衛星事業の新拠点を着工すると発表。2020年中に商用衛星の打ち上げを計画する。

 低軌道衛星とは、上空1000km前後の高度で周回する衛星のこと。地球の近くを高速で動くため地上からの追尾に高度な技術が求められる一方、通信の遅延が少ないというメリットがある。複数の低軌道衛星を連携させると、遅延が少ないブロードバンド網の構築が可能になる。イーロン・マスク氏が率いる米スペースXも同様の計画を進めている。