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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響は自動車産業でも顕在化しつつある。サプライチェーンや需要へのショックは中国から欧州を経由し、米国にも広がる可能性が高い。市場減速に円高・原油安というリスクシナリオが重なれば、日本勢は総崩れになりかねない。

(写真=Justin Sullivan/Getty Images)

 「世界中で進行している異常事態に対する企業の社会的責任だ」。イタリアの高級車メーカー、ランボルギーニのステファノ・ドメニカーリCEO(最高経営責任者)は12日、イタリアの本社工場の稼働を一時停止する発表と合わせ、こんなコメントを寄せた。

 新型コロナウイルスによる死者数が1800人を超え、ミラノなど北部の生活圏を隔離しているイタリア。コンテ首相は食料品と薬局を除く全国の店舗の閉店を25日まで求めており、ランボルギーニ工場の操業休止もこれに合わせたものだ。フェラーリや欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)もイタリアの工場停止を決めた。

 新型コロナの震源地、中国・武漢では、自動車関連工場の再稼働が始まっている。ホンダの完成車工場が11日、約1カ月半ぶりに操業を再開。部品調達の状況を見ながらの少量生産にこぎ着けたが、日本の自動車メーカーは胸をなで下ろしてもいられない。「コロナの波」は欧州を覆い、次は、稼ぎ頭の米国を襲いつつあるためだ。