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「特定技能」の出鼻くじく

 1月以降、新型ウイルスの感染拡大で観光業や製造業が不振に陥り、堅調だった雇用情勢に変化の兆しが見られている。しかし足元の有効求人倍率は1.49倍と、バブル崩壊後で見ると依然高水準だ。国内の生産年齢人口の減少で、サービス業や介護、農漁業とあらゆる分野で人手不足が予想される。

(写真=読売新聞/アフロ)

 こうした動きを見越し、政府も手を打ってきた。技能実習に加え、人手の足りない農業、建設、宿泊、介護、外食、漁業などの分野の単純労働に携わる外国人労働者向けに「特定技能」と呼ぶ新たな在留資格を19年4月に創設。25年までに外国人材を今より50万人多い約200万人にする目標を掲げた。

 その矢先に起こった新型ウイルスの感染拡大は外国人雇用を増やしたい政府の出鼻をくじいている。影響が長引けば生産に携わる労働力不足で供給がタイトになり、農産物や海産物など食品価格の上昇を引き起こしかねない。