京セラが一世を風靡した技術の「転地」に動いている。ターゲットは自動運転分野だ。新領域に挑む裏には、京セラが蓄積してきた技術が生きるとの判断がある。それがPHSとカメラの技術。PHSは2020年夏にサービスが終了、カメラもすでに事業撤退しているが、脈々と受け継いだ技術が息を吹き返す。

<span class="fontBold">自動運転バスのデモの様子</span>
自動運転バスのデモの様子

 東日本大震災で被災し、損壊の激しい線路が一部残るJR気仙沼線。JR東日本は線路の上などに専用道路を敷き、BRT(バス高速輸送システム)の運行に切り替えている。そんな気仙沼線で、2月14日、自動運転バスの実証実験が報道陣に公開された。

 JR東日本や京セラ、ソフトバンクなど10社が自動運転バスを走らせたのは、気仙沼線BRTの柳津駅から陸前横山駅(共に宮城県登米市)までの約4.8km。ドライバーが同乗し、緊急時には運転する「レベル2」に相当する。専用道に設置された磁気マーカーの情報を読み取り、無線通信で位置情報を把握しながらバスを自動走行する仕組み。この日は、最高時速60kmで車線を維持しながら安全に走れることを確認した。実用化の時期は未定だが、人手不足解消への期待がかかる。

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