トランプ米政権が就労ビザの発給を制限する中、インドのIT人材が米国以外の国・地域での就職を目指し始めた。人材不足に悩む日本の産業界には好機到来。インドの優秀な人材を日本企業に紹介するビジネスも立ち上がる。もっともインドの人材に食指を動かす国は多い。買い手市場にあぐらをかいていられる状況ではない。

<span class="fontBold">インド工科大学を卒業する学生たち</span>(写真=Hindustan Times/Getty Images)
インド工科大学を卒業する学生たち(写真=Hindustan Times/Getty Images)

 米IBMのCEO(最高経営責任者)が4月、8年ぶりに交代する。現職のバージニア・ロメッティ氏の後を継ぐのはアービンド・クリシュナ上級副社長。インド工科大学カンプール校を卒業後、米国に留学し、1990年にIBMに入社した。IBMにとって初のインド出身CEOとなる。

 米IT(情報技術)業界を見渡せばグーグルの親会社アルファベットのスンダー・ピチャイCEO、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOなど、既に数多くのインド出身者が活躍している。インドの大学では工学部の人気が高く、毎年150万人が卒業する。多くの学生はグーグルやフェイスブックなど世界的な米IT企業への就職を夢見ている。

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