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ソフトバンクグループ(SBG)の米携帯子会社スプリントとTモバイルUSの合併構想が大きく前進した。上機嫌の孫正義会長兼社長だが、虎の子の事業である10兆円ファンドは先行き不透明だ。モノ言う株主も動き出している。SBGの成長の原動力でもあった孫氏の神通力が薄れつつあるのか。

12日の記者会見では「厳しい冬の後には春が来る」と語った(写真=アフロ)

 「昨日(勝訴の)発表があり、今日が決算日とは神様も粋な計らい。経営陣も大変うれしい」。2月12日、SBGが開いた2019年4~12月期の連結決算会見。孫正義会長兼社長が相好を崩してこう語ったのは、子会社で米携帯電話市場シェア4位のスプリントと、同3位TモバイルUSの合併構想がいよいよ実現する見通しになったためだ。

 ニューヨーク州などが起こした合併の差し止め訴訟で、現地時間の2月11日、連邦地裁が訴えを棄却した。合併の条件は整いつつあり、両社は4月1日にも手続きを完了させる考えだ。

 そもそも孫氏が12年10月に「世界3位だが、いずれ1位に」とぶち上げ、約2兆円でスプリント買収を発表した時から狙ったTモバイルUSの買収・合併構想。成就すれば契約者数で米国首位のベライゾン・コミュニケーションズと2位のAT&Tに迫り、競争が促進されて米国民の利益になる──。孫氏は大義名分を掲げ実現にまい進してきた。