全2930文字

新型肺炎拡大によりイベント中止が相次ぎ、国内の経済活動や消費マインドが冷え込む懸念が浮上。消費増税、大型台風によるマイナス成長から反転するとの当初シナリオには、暗雲が漂い始めた。日本経済にも影響する米景気は、大統領選を控えた景気刺激策もあり踏みとどまるが、楽観はできない。

新型コロナウイルス感染症の発生を受け、指示を出す安倍首相(写真=左:共同通信、右:Abaca/アフロ)

 「昨年後半は台風被害など想定外の事態も相次いだのでマイナス成長はやむを得ない。それより年明け以降、緩やかに回復していくと見込んでいたシナリオが大きく狂ってきたことが痛い」。安倍晋三内閣のある閣僚はため息交じりにこう漏らす。

 新型コロナウイルスによる肺炎拡大で、景気への悪影響を危惧する声が日に日に高まっている。

5四半期ぶりのマイナス成長に
●実質GDP増減率(年率換算、四半期ごと、対前期比)

 内閣府が17日に発表した2019年10~12月期の実質GDP(国内総生産)速報値は前期比の年率換算で6.3%減となり、5四半期ぶりに大幅なマイナス成長に陥った。昨年10月の消費増税や大型台風の影響で個人消費や設備投資が落ち込んだことが響いた。

 もっとも冒頭の閣僚の言う通り、ここまではある程度織り込み済みだった。10~12月は悪くても、米中貿易摩擦が小休止し、半導体需要に底入れの兆しが見られ始めていることから、20年1~3月期の日本経済は再び回復基調に戻ると見ていた。だが、新型肺炎の感染者数が増え続けるにつれ、こうしたシナリオは狂い始めている。