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新型コロナウイルスの感染予防策として、企業がビデオ通話での採用面談や社員の在宅勤務を活用し始めている。働き方改革の有効な手段として知られる在宅勤務だが、これまでは情報漏洩など「できない理由」が先に立っていた。差し迫った危機が促す企業の動きは、多くの人が会社に集まって働くという社会構造に影響を及ぼすかもしれない。

エン・ジャパンは2月5日から、2021年新卒採用に向けた面談の多くをビデオ通話に切り替えた

 人材サービス大手のエン・ジャパンはこの冬、新卒採用に向けた面談をビデオ通話で実施している。人事担当者が会議室でパソコンに向き合い、画面に映る学生は服装自由のため私服姿が目立つ。1対1の面談は45~60分ほど。通過した学生には後日、次のオンライン面談の日程を伝えている。

 同社は新型コロナウイルスの感染を防ぐため2月5日から2021年新卒採用面談をビデオ通話に切り替えた。グループワークや最終選考では来社してもらうがそれ以外の過程はパソコンやスマートフォンの画面越しで進めている。

 ビデオ通話で人柄まで見抜けるのかを危惧する声はかねてある。ただ、例年も地方在住者には認めており、1時間ほどあれば、学生の考え方や意欲を十分に把握できることは分かっていた。今回、2月末までをめどに全応募者に対象を広げたが、「運用上も特に問題は生じていない」(人事部門の平原恒作室長)ため、新型ウイルスの状況次第で延長することもあるという。