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自然災害の頻発を背景に「大災害債(CAT債)」への関心が高まっている。通常の債券よりも高い利回りを提供する代わり、大災害が発生すると元本が毀損されるものだ。国際機関が感染症に備えるCAT債を発行した実績もあり、新型コロナウイルスの流行で注目される可能性も。

(写真=ロイター/アフロ)

 2019年に世界で起きた自然災害のうち、被害額が10億ドル(約1090億円)超のものは15件で、うち7件が100億ドル(約1兆1090億円)超だった。その中には10月に日本を襲った台風19号(被害額150億ドル)も含まれる。英国の国際援助団体「クリスチャンエイド」が出した報告書による数字だ。

 異常気象、地震、感染症の世界的流行といった災害リスクが高まる中、「大災害債(CAT債)」が注目されている。

 CAT債は、一度の災害で保険会社が大損害を被らないように、保険に保険をかける再保険手段の一つとして1990年代に誕生した商品だ。主に保険会社が発行体となる。同じ保険会社が出す普通社債よりも高い利率となる代わりに、償還までの間に一定規模以上の災害が発生した場合は、元本の一部、もしくは全額を再保険金として充当する。償還までの期間は2~5年のものが多い。