全2872文字

感染が広がる新型コロナウイルスによる肺炎に、終息の兆しが見えない。2003年にもSARSの流行で日本社会は混乱したが、経済への影響は当時と比較にならないほど大きくなる。この間に強大になった中国。人の往来の増加が感染の危険を高め、企業のリスクも増幅している。

(写真=共同通信)

 中国内陸部で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)と、あらゆる面で比べられている。感染源やウイルスの特性の違いから患者数、死者数に加え、株式市場からはSARSの際と値動きを比較する声が聞かれる。

 だが、日本経済に与えるインパクトは当時と比べるのが難しいほどだ。03年に44万人だった訪日中国人は、中国の経済成長に伴う日本政府によるビザの緩和、LCC(格安航空会社)の増加を背景に、19年に959万人(推計)と20倍以上になった。

 03年はインバウンド(訪日外国人)という言葉すら広がっておらず、日本百貨店協会が免税売上高の統計を取り始めたのは訪日外国人が増えた09年。その年に152億円だった免税売上高は、19年には3461億円(14年から化粧品などを含む)となった。日本国内での宿泊費や飲食などを含む中国人による消費の総額は19年に1兆7718億円となり、訪日客消費の37%を占めている。