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ネット通販で覇者となった米アマゾン・ドット・コムが、次に照準を合わせているのが自動車産業だ。デジタル技術見本市「CES」では、そんな同社の戦略を如実に見ることができた。名付けて「オセロ戦略」。新たなサプライチェーンの川上と川下を押さえ、全てのコマをひっくり返そうとしている。

 米アマゾン・ドット・コムが自動車産業の覇権を狙う動きが目立ってきた。車載情報システムで先行する米グーグルや米アップルに勝つための、名付けて「オセロ戦略」。その全体像が2020年初に米ラスベガスで開催された世界最大のデジタル技術見本市「CES」で浮き彫りになった。

 1つ目のオセロのコマは、音声認識AI(人工知能)アレクサを搭載する家庭用スマートスピーカー「エコー」だ。米調査会社カナリスによると、19年第3四半期のスマートスピーカーの世界シェアはアマゾンが36.6%でトップ。グーグルは12.3%で、中国のアリババ集団、百度(バイドゥ)に続く4位だった。アマゾンはこの圧倒的な商品力を自動車でも展開する。

 車載用スマートスピーカー「エコーオート」に話しかければ、車内の温度調整や燃料の残量チェックはもちろん、ドアの開閉など物理的な制御もできるため、将来的には自動運転の「司令塔」になる可能性を秘める。CESではエコー経由でEV(電気自動車)の電気代を自動決済する仕組みを紹介。消費者のお財布も握る。