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ミニバンなどの車内で宿泊しながら旅を楽しむ「バン泊」の市場が活性化している。高額なキャンピングカーではなく、乗用車や軽自動車を自分好みに改造する若い世代がその主な担い手だ。NTT東日本が自社駐車場の提供を始めるなど、新たなクルマの楽しみ方、宿泊手法として定着しつつある。

改造した「ハイエース」では3人が寝泊まりできるという

 食事や作業のために備え付けられたテーブルに、バッテリーにつながれた電気鍋、マットが敷かれたフラットな睡眠スペース──。2畳にも満たないこの場所は、軽自動車の車内だ。

 クルマ離れが語られる一方で、「車中泊」の人気がじわじわと高まっている。東京都の20代男性は「プライベート空間が守られていて、好きな場所にすぐ行ける自由さと改造の楽しさが醍醐味」と話す。

 車中泊の代名詞といえるキャンピングカーの市場は右肩上がりだ。日本RV協会によると、2018年度のキャンピングカーの販売総額は約458億円と過去最高を記録。5年で約1.5倍となり、国内の保有台数も11万台を超えた。ユーザーの約7割は50〜60代で、「定年後に夫婦でクルマ旅」という需要が中心だという。

 一方、若い世代を中心に広がっているのが乗用車での車中泊だ。車中泊スポットの検索・予約サービスを運営するカーステイ(東京・新宿)の宮下晃樹社長によると「一番伸びているのが20〜30代のユーザー。乗用車に泊まる人が約8割」という。