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三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の三毛兼承社長が1年で退任する人事を発表した。メガバンク初の理系出身トップとして亀沢宏規氏が後任になることが話題となったが、なぜ1年で交代するのか。三毛氏の決断は、2021年春とされる頭取交代人事を見越し、経営陣一新に向けた布石との見方がある。

三菱UFJFG社長を退任する三毛氏(右)と後任の亀沢氏(写真=共同通信)

 「亀沢氏は、既に社長としての力量がある。であるならば、ここで一気に若返ろうという考えに指名・ガバナンス委員会、取締役会が全会一致で賛成した」

 こう強調したのは、1月17日に記者会見を開いた三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の三毛兼承社長だ。同氏が4月1日付で社長から副会長に退き、後任に亀沢宏規副社長を充てる人事を発表した。亀沢氏は東京大学理学部数学科出身で専門は整数論。メガバンクでは初めて理系出身のトップとなる。

 三毛氏は現在兼務している傘下の三菱UFJ銀行の頭取にはとどまるため、新体制では58歳の亀沢氏がFG社長、63歳の三毛氏が銀行頭取となる。こうした年次の「逆転」に加え、三毛氏が就任後わずか1年でFG社長を退任するという異例の人事となった。資産規模300兆円超の世界有数の金融機関トップがなぜ1年で交代するのか。