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日本の資本市場の成熟度合いが試される案件が足元で相次いでいる。東芝子会社のニューフレアテクノロジーへのTOB合戦や、東芝機械の買収防衛策がそれだ。対応を間違えると投資家が日本企業にそっぽを向きかねない。

TOB合戦が相次ぐ。左からHOYAの鈴木洋CEO、村上世彰氏、東芝の車谷暢昭会長(写真=村上氏:共同通信、鈴木氏:陶山 勉、車谷氏:北山 宏一)

 「えっ、これで終わりなの?」。香港に拠点を置くヘッジファンド関係者が驚いたのは東芝の上場子会社で半導体製造装置を手掛けるニューフレアテクノロジーを巡るTOB(株式公開買い付け)の結末だ。東芝が完全子会社化を狙い1株1万1900円でTOBを開始すると、HOYAがそれよりも1000円高い価格で対抗TOBを表明した。だがニューフレアの第2位株主で16%を保有する東芝機械が東芝のTOBに応じたこともあり、東芝によるTOBは1月16日にあっけなく成立、HOYAも撤退を表明した。

 半導体事業での相乗効果を見込んでTOBに名乗りを上げたHOYAだが、同社の鈴木洋CEO(最高経営責任者)は「当社にとってメークセンスする価格かどうかが大事。無理に価格を引き上げることは考えなかった」とさばさばした様子で語る。