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料理レシピ動画サービスを手掛けるスタートアップのサイネージ(電子看板)がスーパーの店頭で浸透してきた。背後にいるのが総合商社。献立を推薦するレシピ動画と、グループが持つ食品流通のノウハウを連携させる狙いだ。ネットとリアルが融合した新時代の商流を、どの企業連合が押さえるだろうか。

ライフコーポレーションの店舗では、デリッシュキッチンのレシピ動画を再生して、販促につなげている

 「煮立ったら弱めの中火で蒸し煮にする。カキがぷっくりとしたら取り出す」。食品スーパー最大手、ライフコーポレーションの東尾久店(東京・荒川)を13日に訪れると、鮮魚売り場で「カキと白菜のバター酒蒸し」を調理する1分ほどの動画が流れていた。

 スーパーで調理のレシピを流すモニターを見かける機会が増えたことに気付かないだろうか。その裏に総合商社がいる。伊藤忠商事子会社の食品卸、伊藤忠食品は料理動画と小売りの親和性に目を付け、2019年7月、レシピ動画アプリ「デリッシュキッチン」を運営するエブリー(東京・港)に25億円を出資する契約を結んだ。食品の卸先と同社をつなぐという。エブリーの動画サービスはライフのほか、首都圏基盤のサミットや関西の平和堂、東海地方に強いマックスバリュ東海も店舗で採用している。

 三菱商事はクックパッド子会社のクックパッドTVに18年8月、40億円を出資した。三菱食品と連携し、イオングループなど全国のスーパーにサイネージを次々に設置した。5600店でレシピの動画を再生し、19年9月からは大型サイネージを使った生放送も行っている。「楽しい売り場づくりにつながる」と話す三菱商事は今後の食品小売りに欠かせない仕掛けとみている。