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東京五輪による需要増を見込んだホテルの建設ラッシュが続く中、供給過剰が指摘され始めている。特に顕著なのが大阪で、郊外では稼働率が下がり始めているようだ。観光業への期待が高い五輪イヤーを迎えたのに、経営環境は厳しい。業界の勢力図も変わろうとしている。

大手チェーンは立地が良く、高稼働率。郊外のホテルが押されている(写真は 都心のアパホテル)

 みずほ総合研究所が2019年11月に公表したリポートは旅行業界の関係者を驚かせた。かねて指摘される五輪開催年の需要過多が一転、「2020年のホテルは不足しない」と記した。18年10月の時点では、年間を通じて不足する部屋数は1900室になるとしていたが、現状では年間の平均では供給が需要を上回る見通しという。

 その後も業界に警鐘を鳴らす動きは相次いでいる。調査会社の英STRの試算では、19年1~11月の日本のホテルの販売可能客室数は前年同期比5.5%増。一方、販売済み客室数は3.8%増にとどまっている。18年1~11月は前者が3.9%増、後者が3.6%増で伸びの度合いはほぼ同じだった。19年に入り、需要に比べ供給が一段と伸びた。