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保釈条件に反し、日本からレバノンへの逃亡を犯した元日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告。レバノンで開いた記者会見では逮捕後の日本での日々を「筆舌に尽くしがたい地獄のような体験だった」と述べた。「地獄」への転落はどこから始まっていたのか。独自に入手した日産の内部メールからその入り口が浮かび上がる。

(写真=AFP/アフロ)

 「何が日本政府に起きたか、名前を挙げて申し上げることができる」。1月8日、ゴーン氏は記者会見で自らの逮捕、解任劇についてこう息巻いてみせた。しかし、その直後「レバノン政府が困惑するようなことは言わない」とトーンダウンし、日本政府関係者の実名を挙げることはなかった。

 日本政府は日産と仏ルノーの問題、さらにゴーン氏の処遇にどう関わったのか。日経ビジネスが独自に入手し、2019年4月にその内容について報じた日産自動車の内部メールにはその片鱗が見て取れる。

(参考記事:[日産内部メール全文公開]日本語訳(1):日産幹部からゴーン氏へ

 「経済産業省は書簡を仏経済・財務省のフォーレ局長に送ったが、フランス側からの返事がなく、世耕弘成大臣による書簡を送ることを決めた」──。