英総選挙で政権与党の保守党が大勝し、2020年1月末に英EU離脱が実現しそうだ。関税引き上げのリスクがある製造業はサービスを強化するなど事業構造の改革を急ぐ。ブレグジットで雇用が不安定になれば、保守党は支持者の離反を招くことになる。

<span class="fontBold">総選挙で保守党が大勝したことで、ジョンソン首相は20年1月末にはブレグジットを実現する公算が大きい</span>(写真=WPA Pool/Getty Images)
総選挙で保守党が大勝したことで、ジョンソン首相は20年1月末にはブレグジットを実現する公算が大きい(写真=WPA Pool/Getty Images)

 歴史的な勝利と敗北になった。12日に投開票が実施された英総選挙(定数650議席)で、政権与党の保守党は過半数を大幅に上回る365議席を獲得。一方、最大野党・労働党は203議席にとどまり戦後最小の勢力となった。

 英議会で保守党が圧倒的多数となり、ボリス・ジョンソン首相は欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を進める。2020年1月末にはブレグジットを実現し、移行期間に突入する公算が大きい。ジョンソン首相は20年末以降に移行期間を延長しない方針を掲げる。EUはFTA(自由貿易協定)の締結に最短でも4年ほどかかっており、移行期間中に英国とEUが合意できるかは不透明だ。依然として合意なき離脱のリスクがある。

ロンドンでEV充電施設が急増

 関税などで最も影響を受けるのが英国内に拠点を持つ製造業だ。英国は既にGDP(国内総生産)に占める製造業の比率が9%程度と主要7カ国で最も低い。ブレグジットでその比率がさらに下がる可能性がある。離脱を巡る3年半に及ぶ混乱が続いたことで、新たなビジネスを模索する動きが目立つ。

<span class="fontBold">英国生産から撤退するホンダは、EV向け充電サービス企業に出資した</span>
英国生産から撤退するホンダは、EV向け充電サービス企業に出資した

 象徴が21年までに英国の生産拠点を閉鎖するホンダだ。19年にEV(電気自動車)向け充電サービス企業の独ユビトリシティに仏EDFなどと共に2000万ユーロ(約24億円)を出資し、提携。同年3月には、AI(人工知能)を用いて蓄電システムを最適化する技術を持つ英モイクサに伊藤忠商事などと共に860万ポンド(約13億円)を出資した。

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