飲食店にとって忘年会シーズンは稼ぎ時であると同時に長年、悩みの種でもあった。予約客が店に姿を見せない「No show」が横行するためで、被害額は年間2000億円といわれる。社会問題として注目されており、飲食業界がITを武器に自己防衛に乗り出す動きも出始めた。

「No showは悔しいし、士気が落ちる。早朝の仕入れから仕込み、掃除まで準備をしてお待ちしているんですが」。東京・銀座で和食店「銀座魚勝」を営む茅島ゆう子女将は嘆く。客席数は25ほど。予約した1組が来ないだけで「個人経営店には死活問題」になるという。
忘年会シーズンを迎え、無断キャンセル「No show」に注目が集まっている。2年ほど前から店側の訴えがネット上で取り上げられ、2018年に経済産業省が対策を促すリポートを発表したが、今冬はさらに話題になっている。11月11日、警視庁が居酒屋の団体予約を無断キャンセルしたとして、職業不詳の男を偽計業務妨害で逮捕したためだ。
身に覚えがある消費者は過去の行為を振り返る契機になり、泣き寝入りすることが多かった飲食店もNo showが犯罪になり得ると認識した。今はSNS上で「無断キャンセル出ました。助けてください」といった書き込みが頻繁にみられる。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り868文字 / 全文1413文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料!
今すぐ会員登録(有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題
日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「時事深層」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?